ブラジャー

ブラジャー



ブラジャーを着用した女性
ブラジャー(仏語: soutien-gorge, 英語:brassiere)は第二次性徴期以降の女性が胸部に着用する下着で、乳房を支えることが基本目的である。また補正下着としても使用され、この場合、バストの形状を整形すると共に、形が崩れることを防ぐ目的がある。日本の場合サイズはJIS L4006に規定されている。
目次 [非表示]
1 ブラジャーの基本構成
2 種類
2.1 サイズ
2.2 カップによるヴァリエーション
2.3 ベルトによるヴァリエーション
2.4 ストラップによるヴァリエーション
3 歴史
4 特殊用途のブラジャー
5 ブラジャーの選び方
6 ブラジャーのサイズの選び方
7 ブラジャーのトラブル
8 日本シェア
9 脚注
10 関連項目
11 外部リンク

ブラジャーの基本構成 [編集]



前面から見たブラジャー


背面から見たブラジャー
ブラジャーはファウンデーションの一種であり、幾つかの部分に分かれる。左右の乳房を支え、補正するのが目的であるので、カップと呼ばれる、お椀の形の部分が、もっとも基本的な構成要素である。その他の構成要素は以下のようになる。
カップ : バストを包み込む、お椀の形の部分。乳房に合わせて左右に1つずつで、2つのカップがある
ベルト : 基本的に、アンダーバスト部分を胸部を一周する形で囲む細い帯で、2つのカップを結び、更に背中まで回りカップが外れないように固定する役割を持つ。
ストラップ : 肩紐とも呼ばれる。通常、カップ部分の上端から伸びる、長さの調節できる紐で、肩を廻って背中でベルトと繋がっている。ブラジャーは、バストを下から支え、カップによって形を整えるようになっているので、ベルトでカップ部分が胸部に密着するようにする必要があると共に、ストラップで肩から支えカップを含めたブラジャー全体が、下にずれ落ちないようにする必要がある。そのためストラップで、肩よりブラジャーを吊している構造となっている。また、これが欠けた「ストラップレス」タイプがある
ホック : 通常、背中側にある。背中側にホックのある場合、ベルトは背中の部分で繋がっておらず、ホックを止めることでベルトを結び合わせる。ブラジャーの装着は、ホックを止めることで一応終わる。背中側ではなく、左右のカップの間にホックがありベルトが背中の部分で繋がったフロントホックの製品もある。また、ホックを持たない製品もある。
これらの構成要素には様々なヴァリエーションがあり、ブラジャーの種類はそれに応じて、多様な種類のものがある。

種類 [編集]

ブラジャーの種類は、基本的な種類と、派生的な種類に二分できるとも言える。基本的な種類、あるいはタイプは、女性の胸部の身体形状を示す2つの変数で決まってくる。アンダーバストとトップバストと呼ばれる数値が、この2つの変数である。
サイズ [編集]
「アンダーバスト」は、女性の乳房の丁度下の部分(バストの膨らみが消えて胸板とほぼ同じ状態になる位置)で、胸囲を測定した数値である。「トップバスト」は、乳房のもっとも高い2つの点(つまり、乳首)を通過して、胸囲と同様な測定法で、乳房を包んだ胸まわりを測定した数値を指す。
アルファベットで表されるを数字を「カップ・サイズ」という。これはトップバストとアンダーバストの差の数字であり、絶対的な胸の大きさを表すものではない[1]。男性の場合、ブラジャーを必要としない為ブラジャーそのものについての認識が甘いので、「カップ数が大きいほど胸が大きい」と誤解していることも多い。
カップ・サイズは、Aから始まり、2.5cm刻みで、B、C、D、Eとアルファベット順に名称が与えられている。最小であるAカップの標準的な数値は10cm。 逆にAよりも小さなカップサイズは、-2.5cm刻みで、AA、AAAなどの称号が便宜上与えられている。 ブラジャーのタイプはカップ記号とアンダーバストの数字で決まる。また、オーダーメイドでない限りアンダーバストのサイズは65cm、70cm、75cm、80cm のように5cm刻みとなっている。これにより、±2cm程度の個人差があっても各々への対応が可能となる。
カップサイズ記号と数字でのカップサイズの対応は、次のようになっている。
AAA(5cm)、AA(7.5cm)……
A(10cm)、B(12.5cm)、C(15cm)、D(17.5cm)、E(20cm)、F(22.5cm)、G(25cm)、H(27.5cm)、I(30cm)……
日本の女性は、体格に相応しバストサイズも小柄であるとされていた。しかし近年はバストの発達が進んだ女性も多く、DカップやEカップも珍しくない。それでもGカップ以上のカップサイズとなると稀である。また日本で市販されているブラジャーはJカップまで(このサイズは「ルイ・グラマラス」で発売されている)。
カップサイズにはA、B、C等のカップサイズ以外にも「カップ形状」という要素があり、これはメーカーごとあるいは同じメーカーでも製品シリーズで異なる。形状の異なる製品を比べて自らに適するものを選択すれば、自身のカップサイズを探し当てることはそれほど困難なことではない。しかしアンダーバストの場合、市販で売られているのは5cm刻みのみに限られている。個人によって形状に差のあるバストに比べ、アンダーバストとは端的に「胸囲」であるからして、アンダーバストの数字はバストの形状等とは無関係である[2]。アンダーバストの調節には、先に述べたブラジャーの要素である「ホック」部分が用いられる。ホックの固定位置を選ぶことで、ある程度の調節が可能となっている。ホックの間隔は1cm程度で、普通3列または2列に並んでいる。
A65、B65、C65、D65、E65…
A70、B70、C70、D70、E70…
A75、B75、C75、D75、E75…
A80、B80、C80、D80、E80…
なお、アメリカ製の下着の場合、国内メーカーのブラジャーとはカップサイズが異なり、インチ・フィート法を基準とする。日本のブラジャーは、欧米のものに比べるとカップ表記の基準がやや小さめである[3]。
カップによるヴァリエーション [編集]


ハード・ワイヤーの3/4カップブラ


1/2カップブラ
カップは構成要素として、もっとも複雑な部分で、それだけにヴァリエーションが多数ある。
乳房の形状
まず、もっとも複雑なのは、カップの立体形状である。これは、バストは単純な半球形ではなく、複雑で微妙な曲面で構成された立体であるということによるものである。またこの形状は個人によって差が大きく、サイズ表現では同じB75であっても、乳房の形がまったく異なるということは珍しいことではない。
半世紀前、あるいは30年ほど前であると、カップはかなり乱暴で大まかな半球の形に構成されていた。しかし、女性の乳房は、両脇の辺りから膨らみがあり上下対称ではなく、当然ながら、左右のバストの一方だけを見ても、左右対称ではない。このため、「立体裁断」という、多数の布を縫い合わせて、現実のバストの形状に近い形が実現できる手法をとるが、これでも個々人のバストの形状に完璧に対応できるわけではない。
サイズと形状
アンダー70の人のCカップと、アンダー80の人のCカップが、同じ形である現状はいささかおかしいともいえる。
実際市販の既製品でも、カップ形状が異なっている(また、同じCカップなら、アンダー70の人のバストと、アンダー80の人のバストとでは、胸囲から見ても、身体の大きさから見ても、相対的に大きさが違って見える。また、実際にも形状が違っている)。
カップのカバー面積
ここで言うカップのカバー面積は、基本的には3種類である。ブラジャーを構成するバスト部分の布地が、どの程度バストを覆っているかで3つのタイプに区分される。
フルカップブラ : カップがバスト全体をすっぽり覆うデザインで、安定感があり円錐形のバストを作るのに有効で、Cカップ以上のバストが大きな人向きとされている。
3/4カップブラ : フルカップブラのカップの上1/4をサイドからセンターに向かって斜めにカットしたデザインで、脇の肉を寄せ集めてバストにしてしまう効果があり、バストが離れていたりバストが薄い人向きとされている。
1/2カップブラ(ハーフカップブラ) : フルカップブラのカップの上半分を水平にカットしたデザインで、下がったバストを引き上げる効果があり、バストのふくらみがみえるため小さめの胸もふっくら演出することができる。
その他に、フルカップブラのカップの上3/4をカットしたデザインの1/4カップブラ(トップレスブラ)、オープンブラなどもあるが、これらはバストの大部分が露出するため、本来のバストを支え形状補正するというより装飾的な要素が大きい。
ワイヤーの有無
ブラジャーのカップ部分について、「ワイヤーの有無」を語る場合がある。ワイヤーは乳房を支え、理想的な形状に整えることが目的とされ、素材はおおむね金属製である。カップのお椀形になった半球の底面部分、つまりはおおよそ胸と乳房の境界を示すバージェス・ラインに沿って、ベルト芯のような感じでカップ素材の布の中に縫い込まれている。サイズが大きくなるほど、バージェスラインも緩やかに(半球の直径が大きく)なる傾向がある。ワイヤーの種類は大きく分けて3つある。
ノンワイヤー : ワイヤーをまったく使っていないもの。
ソフト・ワイヤー : ワイヤーが芯に入ってはいるが、かなり柔らかいもの。
ハード・ワイヤー : ワイヤーが芯として入っており、柔らかさがないもの。
ハード・ワイヤーのブラジャーは、バストの大きさや形状に合ったワイヤー形状である場合着用しても快適であり、乳房が安定しまた補正効果も良い。しかし形状が合わないと痛みを訴える場合がある。着用して跡がはっきり残ったり痛みがある場合、ハード・ワイヤーは避け、ソフト・ワイヤード・ブラジャーかノンワイヤーのブラジャーを選ぶことが望ましい。また、カップを1つ上げて(例:B→C)パッドで調整すると食い込まなくなる事がある。
また、多くのメーカーで、形状記憶合金をワイヤーの素材として使用したものがある。
その他


材質等が違う各種のカップ
これら以外に、カップを構成する布地が一重のものと、中にパッドを入れることができるように、内側にポケットが作られたもの、ポリウレタンなどを使って、カップ自体に幾らかの厚みを持たせ、弾力性を与えているものや、1cmか2cm程度の厚さのポリウレタンなどの層、いわゆる作り付けのパッドが付いているものなどがある。またカップの表は、レースまたはレース状の飾り布で覆われているが、これらの布が直接肌に触れないよう、なめらかな裏布を当てて、縫い合わせているのが普通である。
生地が一重であるシンプルなもの
表のレース飾りと、裏の当て布を縫い合わせて二重になっているもの
内側にパッド用の袋が準備され、二重になっているもの
カップ自体にパッドが縫い込まれているもの
布地の材質各種








ベルトによるヴァリエーション [編集]
ベルトはアンダーバストの位置でホックによって留められ、ブラジャー全体を固定する役割を持つ。
ホックの位置
主に以下の二つのタイプがある。
ホックが背中のほぼ中央に来るタイプ(通常)
ホックがカップの間に来るタイプ(フロントホック)
基本的にホックは、それぞれのカップから伸びたベルトの一番端につき、留めると背中のほぼ中央に来る。しかしフロントホックと呼ばれるタイプは二つのカップの間にホックがある。
このタイプは後ろに手を回す必要が無いため、リハビリ中の人や授乳中の人、あるいは体が堅かったりブラジャーを着けるのに慣れていない人などに向いている。また一般的なブラジャーに比べて背中や脇から脂肪を集めやすいので、乳房の間に谷間を作りやすいという利点がある。
ホックの数
またブラジャーのサイズは後ろに付いているホックの数と関係がある。
A~Bカップだとホックが1個であることが多い。
C~Dカップだとホックが2個であることが多い。
Eカップ以上のサイズになるとホックが3個あることが多い。
ベルトの太さ
ベルトは太い方がブラジャーがずれにくいが、一方で胴が曲げにくくなるために窮屈な感じを受けやすくなる。この窮屈感を「アンダー圧」と言い、ボーン(下記)の有無・ベルトの太さや伸縮性などによって左右される。リラックスしたい時には、このアンダー圧が低いタイプが適している。
ホック1つで留まる太さ : 国産Cカップ以下で、補正力の強くないタイプ。
ホック2つで留まる太さ : 国産D以上、またはストラップ無しで使用できるタイプ。
ホック3つで留まる太さ : 国産EないしはF以上のグラマー用。
ホック4つで留まる太さ : ロングブラジャー。ホックは10個を超えることもある。
一般的なブラジャーは1cm~2cm位の太さでホックも1つ(ベルトの長さを調節するため、2~3個横に並ぶ)だが、国産ではDカップ以上でベルトが太くなり、ホックも縦に2つないしは3つ並ぶことがある。これはカップが大きくなるとブラジャーにかかる重量も増し、アンダー圧を多少上げてでもブラジャーをしっかり固定する方を重視するからである。同様の理由で、補正力の強い物やストラップを外した状態で使用できる物は、ベルトが太くなる傾向がある。特にベルトの太いタイプを「ロングブラジャー」と言い、補正力が高いためにドレスを着用するのに適しているとされる。ロングブラでホックの位置がベルトの下部のみのタイプは、背中の開きが大きなドレスでもベルトが出にくい。
ベルトの形状
ベルトの幅にあまり変化が無い一文字タイプ : 補正力の強くないタイプに多い。バックシルエットに癖がなく、一般によく見られるタイプ。
ストラップからU字型(アーチ型)を描いているタイプ : 補正力が強いタイプに多い。女性は機能面から選ぶことが多いが、一部の男性からは好奇の目で見られる。
ボーンの有無
肉質が柔らかい、あるいは乳房が大きい場合、乳房が脇の方に流れやすく、着用感が悪くなったり形崩れを起こしたりする原因となる。そこでカップから3cm位の位置に、ボーンと呼ばれる芯が入ることがある。
補正力が強いタイプに入っていることが多いが、ベルトが縦に曲がりにくくなるため、人によっては窮屈な感じを受ける事がある。ロングブラジャーなどの補正力を特に重視するタイプでは、ボーンの数も増し、窮屈感も増す。
ストラップによるヴァリエーション [編集]


アジャスター
乳房は、形状や大きさに個人差があると同様、胸郭前部のどのあたりに位置するのかでも個人差がある。発達期の少女のバストは脇に寄っており、乳房の形状も外向きに発達しているが、成人すると、バストは胸郭の前部に近寄って来る。しかしバストの底面が、胸郭前部の広がりのなかでどの辺りに位置するか、個人で差があり、肩・鎖骨に比較的近く高い位置にある人と、鎖骨と乳房上部のあいだにかなり距離があり、比較的に低い位置にある人がいる。
ストラップの長さ
このようなバストの上下での個人差を調整するため、ストラップには通常アジャスターが付いている。乳房の位置が高い人は、ストラップの長さを短くすることで、カップの位置を実際のバストの位置に合わせることができ、反対に低い位置にバストがある人は、ストラップの長さを長く調節することで、カップとバストの位置を合わせることが可能になる。普通は、ブラジャーを購入した後、最初に装着するときストラップの長さを決めると、あとはそのままで使用できる。
アジャスターの有無(通常付いている)
アジャスターの連続調整限界としてのストラップの最大長さ
アジャスターの位置
通常ストラップには左右一つずつアジャスターが付けられている。装着した後でもストラップの長さを調節し易いように、アジャスターは前部に付いているのが通常である。前述のようにアジャスターによるストラップの長さ調節は通常一度で完了するものであるが、アジャスターが背面に付いている製品もある。その理由としては、ストラップ前面に(リボンなどの)装飾があり前面にアジャスターを付けられない場合や、正面から見たときの美観のためなどが挙げられる。
ストラップ・アジャスターが胸部前面にあるもの(通常)
ストラップ・アジャスターが背面にあるもの
ストラップの前面結合位置
ストラップは通常幅1cmほどの平たい布の紐であるが、カップ部分の布と結合具で繋がっている。ストラップにはカップのどの辺りで繋がっているのかなど、ブラジャーのカップ設計と関係したヴァリエーションがある。基本的で古典的なものは、乳房のほぼ中心を上に延ばした位置に、ストラップの結合部分が来るものである。バストの重みを支えるために最適のバランスを求めた結果だと思われる。
ブラジャーはバストを支えると同時に、乳房の形や位置を補正するファンデーションでもある。ブラジャーは設計によっては、脇の下部分辺りより皮下脂肪を集め、乳房全体を胸部のより前へ、またより高く持ち上げるように、カップやベルトの形状が構成されているものがある。この場合、ストラップとカップの結合位置は、バストの中心の上ではなく、両脇にかなり寄った位置になる。両脇から上に持ち上げることで、乳房全体をより大きく、より胸部前方へと押し出す役割を持つのである。このようにして、自然な状態では明瞭でない「乳房のあいだの谷間」を構成することができる。
ストラップとカップの連結位置が、乳房中心上部近くに来るもの
ストラップとカップの連結位置が、左右の脇寄りとなっているもの
背面でのストラップ
ストラップはブラジャーのカップと繋がっていて、背中でそのままベルトと結び合わされる。しかし、これにも色々なヴァリエーションが存在する。ストラップは幅1cmほどの布紐が基本であるが、ファンデーションとしての安定性を高めるため、背面では幅が広くなり、ベルトと一体化しているものがある。
また、背中のベルトと恒久的に固定されているものと、留め具で結合位置を変えることができるものがある。女性でなで肩の人は、ストラップが肩から滑って外れることがあり、とりわけ、ストラップが胸部前面で左右脇に寄っていると、滑る可能性が極めて高くなる。これを防ぐため、ストラップのベルトとの結合位置を、より背中の中心に近い位置に調整できるようになっているものがある。バッククロスと呼ばれるストラップは、ストラップが背中でクロス形で交差している。この場合、なで肩の人でもストラップの滑り外れは起こらない。更に、ファッション性を重視して、ネックで回してストラップを一本にし、背中のベルトと結ばないスタイルのものもある。
通常の背中でストラップがベルトと結ばれるもの
ベルトと結ばれる位置で、ストラップの幅が広がったり、ベルトの幅が上向きに広がり一体化するもの
背中のベルトで、ストラップを結合する位置が選択できるもの
ストラップがバッククロスとなっているもの
ストラップがネックを回り、一本となっているもの
ストラップの取り外し
ファンデーションとしてのブラジャーのストラップは、バストを支え、また補正のためのカップ形状の設計などに応じ、上に引き上げることで力を加える目的がある。しかしブラジャーを構成する生地素材の発展とファッション性を求めて、ストラップを外すことが可能なようになっているブラジャーがある。ストラップがなくとも、ベルトやカップの素材や設計で、ブラジャーがずれることがないような場合は、ストラップはなくてもよいということにもなる。
また、ストラップがなくともよいというのなら、必ずしもバストを支える目的のためでない、ファッションとしての見栄えを考えたストラップでも構わないことになる。色々な素材のストラップが考えられ、肩を露出させても目立たないシリコン製の半透明のもの、敢えて見せるおしゃれとして使用できるアクセサリーチェーンなども販売され始めている。これらのファッション・ストラップは単独で販売されており、手持ちのブラジャーのストラップと交換して楽しむことができる。
取り外し可能ストラップ
ファッション・ストラップ(各種素材で別売)
透明ストラップ(ビニール製)

ストラップレス


ストラップレスブラ
生地素材や設計により、ストラップなしでもブラジャーの機能が果たせる場合、ストラップは最初から必要がないとも言える。これらは広い意味で、「ストラップレスブラ」ということになる、ストラップレスブラは、最初からストラップがないことを前提に設計されており、これはストラップの取り外し可能ブラとは、また種類が異なっている。トポロジー的に円筒となるため、チューブとも呼ばれる。
ストラップレスブラに、ファッション性のため飾り目的でストラップが取り付け可能になっている場合があるが、この場合のストラップ取り外し可能ブラとの相違点は、取り外し可能ブラは、ストラップを前提に設計されているという点であると言えるだろう。取り外し可能ブラの場合は、個人によっては、ストラップを外すとブラが安定しないなどの問題が起こり得る。
ストラップレスブラ(ファッション・ストラップの取り付けが可能なもの)
純然たるストラップレスブラ

歴史 [編集]

女性の胸部を覆うブラジャーのような下着は古代ギリシャにおいても、ミノア文明時のクレタ島やスパルタで着用されていたことが知られており、ゾナと呼ばれる一枚布の下着であった。
中国・内モンゴル自治区で、2004年に遼代の墳墓から、精巧な刺繍が施され、現代のブラジャーと酷似した形態でベルトに相当する部分とストラップに相当する部分のある、女性が胸部に着用した絹製の下着が発見された。
しかし現在のブラジャーの原型は、フランスで1889年にエルミニー・カドル(Herminie Cadolle)が最初のものを発明し、さらに現在の形に近いものが1913年2月12日にアメリカ合衆国でメアリー・フェルプス・ジェイコブ(Mary Phelps Jacob)によって発明、特許をとった。
戦中・戦後期において、専業主婦による裁縫技術の普及していた日本では自家製されることも多かった。
日本でのブラジャーの事始めは1951年にさかのぼり、ワコールがフロントホックタイプのものが国内にて出回るようになったのは1975年のこととなっている。
特殊用途のブラジャー [編集]



スポーツブラ
スポーツ用(スポーツブラ・女性用サポーター)
汗で蒸れないよう通気性や吸湿性に優れた素材(多くは綿)が使用され、また激しい動きに耐えられるように、伸縮性やストラップの形状などに配慮されている。ワイヤーやホックは擦れて肌を傷めるおそれがあるので、使用されていないタイプも多い。ホックの無い場合は頭からかぶって着用する。また、心拍計のセンサーを組み込んだものもある。
第二次性徴期用(ジュニアブラ)
第二次性徴期に入り、乳房が成長中に着用するブラジャー。
乳房は乳頭期→乳輪期(乳うん期)→乳房第一期→乳房第二期→成熟期(成長期)の順で成長していくため、各成長過程に対応したブラジャーが市販されている。ただし、乳頭期・乳輪期(乳うん期)に対応したブラジャーが市販されているメーカーは少数である。
ジュニア用のスポーツブラも多くのメーカーで市販されている。
産前・産後用
妊娠中は乳腺が発達し、短期間でカップやアンダーサイズが大きくなる。この時通常のブラジャーを使用していると、乳腺を圧迫し、母乳の出が悪くなってしまうことがある。このため、サイズアップに堪えられるワイヤーや伸縮性を持つ素材、また発達した乳房を支えられる強度のあるストラップが採用されている。
授乳の際にブラジャーを外す手間がかからないよう、カップの部分が取り外せるなどの工夫がなされている。ブラジャーだけでなく、産前産後に適した機能を持つ下着を総称して、マタニティインナーとも呼ぶ。
結婚式用
上にドレスを着用するため、補正力が高く、ストラップの取り外しが可能なタイプが一般的。背中の開きが大きなドレスに対応した、バックレスと呼ばれるタイプもある。
一般的に色は純白だが、一部に青が入っていることがある。これは、「Something Four」と呼ばれる、花嫁が式の際に身に着けておくと幸せになれるという4つのアイテムの言い伝えの中に、「Something Blue(何か青い物)」があるため。ブラジャーだけでなく、結婚式の際に花嫁が着用するのに適した機能を持つ下着を総称して、「ブライダルインナー」とも呼ぶ。
乳癌経験者用
乳癌などで乳房の一部または全部を切除した人、または治療で乳房の片方だけサイズが大幅に減少した人を対象にしたブラジャー。大きなパッドでも入れやすいパッド受けがつき、手術痕にブラジャーが触れないようにデザインしてあるなどの工夫がなされている。
装飾用 カップレスブラ またはトップレスブラといわれ、乳房の上半分や乳首が露出したものをいう。スリットブラは中心部に切れ目があり、乳首が視覚的に閲覧できる状態となっている。
近年ではカップを省略した、ノーカップ(カップレス)ブラという新たなるブラジャーも出回っている(この場合、乳房の大部分が露出となる)。
男性用
「付けることで安心感がある」とネットショッピングで普及を見せており、カップの入っていないものも普及、また、コスプレをする際にも胸を作ると言う理由からカップの入っているブラジャーを用いることがある。
ブラジャーの選び方 [編集]

ブラジャーの選び方には、主に2通りある。
デザイン、色、レースなどの素材やデザインを重視
下着自体をファッションととらえる風潮が一般的となっている。好みの色や、レースデザインなどに加え、よりシンプルな無地タイプがある。好みや、TPOに合わせて、複数そろえる人が多い。
用途を考慮した、機能性重視による選び方
バストアップ ブラ :バストを大きく見せることを目的とされたブラ。実際にバストが大きくなるのではなく、カップに厚みをもたせたり、パッドを挿入することで大きく見せるブラジャーがたくさん販売されている。
Tシャツブラ : Tシャツに代表される体にぴったりとフィットするアウターを着用する際、ブラの形状が外側から目立たないようにデザインされたもの。多くはシームレスブラ(モールドカップブラ)である。
ブラジャーのサイズの選び方 [編集]

ブラジャーのサイズ選びは、アンダーバストサイズ、トップバストサイズ、カップ容量で決まる(ただし、乳頭期・乳輪期(乳うん期)に対応したジュニアブラジャーは、アンダーバストサイズとトップバストサイズとの差が小さいことからトップバストサイズのみで決まる)。しかし、実際には、自分のサイズを正しく認識している人は少ない
バストの変形や下垂などがある場合、直立した状態で正確なサイズとカップ容量を測ることができない。このため、これらの問題を抱える女性の相当人数[要出典]がブラジャーのサイズを間違っているか、または苦しい、違和感がある、肩こりがあるなどの理由でつけることをやめてしまうと言う人もある。
ブラジャーのトラブル [編集]

ストラップがずれる
ワイヤーが当たって痛い
市販のブラが合わない
自分に合うサイズが分からない
ブラジャーは身体に密着するため、僅かに胸に合わないだけでも窮屈だったり、時に痛みを覚えたりもする。身体に合わないブラジャーを着け続けると、こすれる部分に炎症が起きたり、将来的に胸の形が崩れたりする可能性もある。ブラジャーに違和感を覚えた場合は、恥ずかしがらずに購入した店の店員や、専門家に相談した方が良い。
また、金銭的に余裕があるのなら、オーダーメイドのブラジャーをメーカーに作成して貰うのも一つの選択肢である。
日本シェア [編集]

ワコール(23.1%)
トリンプ(10.6%)
シャルレ(5.9%)
セシール(5.1%)
グンゼ(2.4%)
日経「2002年主要商品・サービス100品目シェア調査」より。
その他の会社に、ルシアン、ピーチ・ジョン、千趣会などがある。
脚注 [編集]

^ もちろん目安にはなるが、「実質的にはBカップの女性の胸がCカップの女性のものよりも大きい」という事もあり得る。
^ 故に、アンダーバストの数字が変わってくると、前述の「カップサイズ」の数値が自ずと変わってくる(、「トップバストとアンダーバストの差」である為)。
^ これは、二つのカップサイズの中間である場合に、日本では乳房を潰さないように二つのうちで大きい方を選ぶが、欧米では乳房に少し食い込んだ着用感が好まれる為、二つのうちの小さい方あるいは更にもう1カップ小さいものを選ぶからである。
関連項目 [編集]


ウィキメディア・コモンズには、ブラジャーに関連するマルチメディアおよびカテゴリがあります。
メンズブラ
ファウンデーション (服飾)
ビキニ (水着)
ヌーブラ
外部リンク [編集]

excite - 日本女性のブラジャーの平均サイズ
[隠す]
表・話・編・歴
インナーウェア
ファンデーション
ウエストニッパー - ガードル - コルセット - ビスチェ - ボディシェイパー - ボディスーツ - スリーインワン - パニエ - ナベシャツ
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スリップ - キャミソール - チューブトップ - ペティコート - スリーマー- フレアパンティ - テディ - ベビードール - セクシーランジェリー
ブラジャー
ブラジャー - スポーツブラ - ヌーブラ - トップレスブラ - オープンブラ - シースルーブラ - ハーフトップ
パンティー
Tバック - ソング - タンガ - Gストリング - ブラジリアン - リオカット - Tフロント - マイクロヒップス - シースルーショーツ - サニタリー - オープンショーツ - サスペンダーショーツ - ホールショーツ - スキャンティー - アンダースコート - ジュニアショーツ - 女児ショーツ - ボーイレッグ - トレーニングパンツ - ハイレグ - スーパーハイレグ - ローレグ - ローライズ - Cストリング - ハーネス - ひもパン - レギンス
靴下類
ストッキング - パンティーストッキング - ボディストッキング - ガーター - タイツ
メンズ
ブリーフ - 男児ブリーフ - ビキニブリーフ - トランクス - ボクサーパンツ - ジョックストラップ - ダンスベルト - ぞうさんパンツ - ランニングシャツ - タンクトップ - Tシャツ - タートルネック - メンズブラ
歴史的
晒 - 腹巻 - 襦袢 - 裾除け - ズロース - 貞操帯 - ミキナス - コッドピース - ふんどし - 越中褌 - 六尺褌 - 湯文字 - クリノリン - バッスル - ステテコ - ユニオンスーツ- ロインクロス - 猿股 - 股引 - 鯉口シャツ- ダボシャツ
その他
おむつ - おむつカバー - スポーツ用サポーター- オーバーパンツ - 見せパン